時代は昭和から平成に変わり、ポケベルとパソコン通信の時代が始まります。
本格的なメール時代を迎える前夜の黎明期になります。技術の進歩で原始時代とはスピードも
使い方も変わってきました。
ポケベルの技術とサービスは、はるか昔からありましたが、今のケータイメールのような使われ方をしだしたのは、1990年代前半です。
この時代を象徴するドラマが、妻子ある身の水谷誠司(緒形拳)と29歳年下の保坂育未(裕木奈江)の不倫関係でのラブストーリーと、それが原因で崩れていく家庭を描いた「ポケベルが鳴らなくて」(1993年)です。
当時本当に共感を呼ぶ話題でしたね。
ポケベルは次第に女子高生の必須アイテムとなっていきました。
また、同じころパソコン通信が流行しました。パソコン通信はホスト集中型のネットワークサービスで、
原始的なパソコンメール機能を備えていました。
パソコン通信は、どちらかといえばある程度の所得のある社会人を中心に普及していきました。
この時代を象徴する映画が、パソコン通信を題材にした「ハル」です。この映画は、インターネットの普及以降から見れば時代的な古さを感じさせますが、PCを介した匿名による文字の会話は時代の核心を突いていました。
同じテーマのハリウッド映画『ユー・ガット・メール』というのもあります。
ポケベルもパソコン通信も最初は匿名で見知らぬ同士がメール/メッセージ交換をしながら、次第に打ち解けていき、住所を知らせたり、写真を交換したりしなが ら、実際に会ったりもしました。
また、パソコン通信のフォーラム(特定のテーマを元に開設された電子会議場)があり、そこで親しくなった人同士が、実際に飲み会などで会ったりする事をオフ会と呼び、これはインターネットが普及した現在でも残っています。